その沈んだ不安そうな表情から出た言葉が衝撃的だった。僕よりほんの少し若いだけだから、70歳に乗ったかどうかくらいの女性が、お医者さんから「誰でも貴女みたいな年齢になると脊柱管狭窄症かヘルニアか坐骨神経痛は出るものだから、諦めてシップを貼ったり痛み止めを飲むしかない」と言われたらしい。
僕はお医者さんの批判は避けているから、黙っていようかと思ったが、その女性の落ち込みようを見ると僕の想いを伝えたかった。
確かに骨格系の設計図は50歳くらいしか出来ていないみたいだから、50歳を過ぎれば多くの方が痛みのトラブルに苦しむ。だからと言って、諦めろはないだろうと思ったのだ。僕は日常業務のなかで、改善を諦めたばかりにどんどん衰えが加速され、痛みが比例して増幅し、それこそ毎日が地獄に変わるをの多く見てきている。だから僕の頭の中に、痛みの改善を諦めるなどは存在しない。むしろ積極的に対峙して、軽減、あわよくば完治に導くことを日々目指している。だから、漢方薬は勿論天然薬やストレッチなどを総動員している。総合的なアプローチで、痛みからの解放を目指し、最後まで人生を楽しむようにお手伝いしようと心がけている。これは頼って来てくれる人の為ではあるが、僕の将来の為でもある。
非力ながら、そうした全方位的な努力で痛みから解放されている人を何人も出現させてきた。だから諦めようなどとは思いもしない。だからこの女性がお世話になっている先生の言葉の残酷さに大いなる失望をした。
僕などより優秀な頭脳を持っていたからこそ得られた免許がありながら、僕レベルの人間でもできる手伝いをしてあげないのかと、憤りも感じた。実際こ女性は3年前に、初期の脊柱管狭窄症を僕の漢方薬で克服してもらっている。治ったら音沙汰が無くなるのが常で、それ以降もせめて漢方薬を飲んでいたら再発しなかっただろうと残念ではあるが、経済が発生するからみんながみんな飲めるわけではないし、むしろ飲み続けられる方が少数派だ。
当時を思い出してまた訪ねてこられたのだから、当然僕は最善を尽くすことを約束した。大量のコマーシャルで痛みの人から金銭をむしり取るサプリと言うものからも救うことが出来るだろう。