家庭菜園

 現在兄が住んでいる家の前身は、祖父母が野菜作りを楽しみにしていた畑で、父が祖父母にしてあげたことの中では大きな存在だ。幼い僕たち兄弟は、家から1,5㎞の所にある畑に行き、祖父母と多くの時間を過ごした。
 その後そこに薬局の支店を建てたから畑はなくなった。だから、昨日嫁にもらった一つのピーマンとミニトマトは、半世紀以上ぶりの収穫だ。
 滅多に利用されないドッグラン。さすがに嫁ももったいないと思ったのだろう。遠慮気味に1か月くらい前に「お父さん、あそこに畑作ってもいいですか?」と頼みに来た。刈っても刈っても生えてくる草に辟易していたから、大歓迎だ。
 すると硬い土地を鍬で耕し、畝を作り、除草シートを敷き、苗を何種類か買ってきて器用にミニ畑を作り上げた。仕事を終えた午後、重装備で紫外線を避けながら、動き回っている。時々草刈り機の充電に薬局に入って来るが、正に若い農夫そのもので、生き生きとしている。あまりにも板についているから、農業の経験があるのと本気で尋ねたくらいだ。あの器用さは、リアルタイムで農業経験者に教えてもらっているかららしい。現代の農業に求められるのは器用ではなく情報なのだ。
 野菜ってこんなに早く成長するのかと驚くほど毎日大きくなる。確かに草でも数日で息を吹き返すから同じようなものだろう。
 朝、草を焼いている時にトマトが色づいているのを発見した。案の定その数日後に、ピーマン一つとミニトマト一つを持ってきてくれた。照れながらも満足げだった。
 数種類の野菜が恐らく次々と収穫されるだろう。よく家庭菜園を「買った方が安い」と自嘲気味に言う人がいるが、きっとその奥では、自身の心と体に貢献していることを確信しているに違いない。そのどちらもスーパーは勿論どこででも買えるものではないから。いわば確信犯の自嘲なのだ。

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