写真

 花の都大東京で働いているある女性が、漢方注文の度に写真を添付してくれる。およそ僕などにはありえない視線で目撃した景色ばかりで、結構インパクトがある。実際に東京に行ったのはもう30年以上前のことだし、現在の風景もニュースなどで垣間見るだけだ。だからほとんど知らないことになる。偶然、切り取られた小さな絵しか実際には見ていないのだ。
 今回送ってくれた写真には、格好いい車の写真が3枚添付されていた。解説文があったからそれがフェラーリだとわかったが、フェラーリを実際に近くで見たことがないから、教えてもらわないと名前は分からい。
 なんとそのフェラーリは、彼女が通勤に使っているもの・・・ではなく、会社が入っているビルに展示されているものらしい。高層ビルの1階だろうか、大きなガラス窓の向こうに街路樹が見える。偶然スマホを車に向けている女性の姿も窓ガラスに映っていて、十数年前に牛窓に来てくれた時の姿を重ねた。
 まるで作られたものばかりの世界は輝いているのだろう。多くの人がなびくのもよくわかる。輝いている世界に主人公として参加することは出来なくても、エキストラとして、或いは観客として楽しむことはできる。
  田舎に暮らしていたら、輝くものにはなかなか出会えない。そこに元々あるものに癒されるばかりだ。所詮僕らにとってはあの高級車も「お腹がフェラーリ」くらいの洒落の対象でしかない。

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