取り舵一杯

 宇野から高松に直接行くフェリーがなくなったので、今は直島でいったん下船して、10分後に再び同じ船で高松に向かう。いわば僕たち直島島民以外は、島民の足を利用させてもらっているにすぎないのだ。だから必ず直島で切符を買う時には「島民の方ですか?」と尋ねられる。僕に限ってのことではないだろうが、牛窓も直島も似ているから、僕はその景色に馴染んでいるのかもしれない。自分では港区のタワマンが似合っていると思うが、傍から見れば「直島港」民に見えるのだろう。
 先日疑問が一つ解けた。時刻表を見ていて以前から気になっていたのだが、直島から高松港に行くのと、高松港から直島に帰るのとでは10分の差があるのだ。なんで同じところを往復するのに時間が10分も違うのだろうと思っていたが、謎が解けた。
 僕は潮流の影響だろうとうすうす考えていたが違った。その日直島から高松に向かう乗客は少ない上になお少なくて、客室の先頭部分を占領した。一人で10席くらい占有できそうなくらいで、まるでパノマラ状態だった。1階上の船長とほぼ同じ視界だと思う。
 普段は船の横の景色を楽しむが、その日は進行方向の景色を楽しむことが出来た。それで気が付いたのだ。なんと船は直島港を出てから、ひたすら瀬戸大橋の方向に進んでいくのだ。ひょっとしたら瀬戸大橋観光で、橋の下を目指しているのかと言うくらい近づく。実際はこんなに宇野と下津井が近いのかと驚かされるくらい近づいた。そしてそこで初めて取り舵一杯で高松に船首を向けた。
 宇野港から高松港を一直線で目指したときは気が付かなかったが、直島は進行方向左にあり、船の右側通行からしたらかなりの寄り道なのだ。嘗ての直線航路に戻るために10分要するのだ。いわば直角三角形の底辺を進んで、斜辺を上がっていく感じだ。まっすぐ直線を上がれば高松港があるのに。
 好奇心のまるでない人達をわざわざ連れて行った不快さを、打ち消してくれるほどの発見だったとは言えないが、何か意味でも持たせないと「やっとれん!」

【山本太郎&植民地】"定義を言え!"百科事典を片手に太郎を論破したい百科事典おじさんとのバトル!日本はアメリカの植民地だ! #山本太郎 #れいわ新選組 #植民地 #総理大臣 #切り抜き - YouTube