苦肉の策

カルテに正式に書き込みながら感じたことを一応報告してみます。
その前に無事帰れているでしょうね。
僕は昨日教えてくれた不快症状のほとんどすべてが、水分の過剰摂取に起因していると思います。
僕の3倍くらい摂る水分量のすべてが体で働いたのち排出できればいいのですが、恐らくかなり残っているのだと思います。
小指便の後、カレーになるのは寧ろ守られているのではないでしょうか。頻尿は当然これだけ飲むのだから想定内ですが、それで出切れないのを腸の方から捨てるのは、身を守るための常套手段です。また水が溢れて、頭の方まで増えてくると、フラフラの症状が始まります。そんな患者さんには、病院では強烈な利尿剤が出たりするのですから、西洋医学東洋医学も同じ視点なのです。数百年前にそのようなことを見つけた昔の人は偉いです。
あなたは水分過多で胃酸を薄めていますから、食欲も出ないし、消化力も落ちます。食べれなくなれば当然体力が落ちますから、安眠できません。頭に血が上っているのではなく、眠るだけの体力がないと言ったほうが説明がつきます。僕はこういった方には昨日作った煎じ薬を飲んでもらいます。体力がつくだけで眠れるようになる人もいるのです。
喉の渇きをいやすのに冷たい水では一気にガブガブ飲んでしまいますから、必要以上に飲んでしまいます。のどが渇きやすいあなただからこそ、温かい水分を心がけてください。体温より低い水は、原則体に入れないでください。治ったら敵みたいに好き放題飲んでください。

あなたにはどんな病気も潜んでいません。単なる不摂生です。でもいい経験になりますよ。僕なんか学生時代、パチンコ代欲しさに食費を倹約し、コメに塩をかけて食べていたのですから。金があればカップラーメンをおかずに米を食べていました。おかげで毎日下血するようになり、朝目が覚めたらゲイゲイ吐いていました。
お金がなかったから牛窓に電話を入れたら父が栄養剤を送って来てくれました。それで治ってしまいましたが、若いって凄いですね。
問診のあと、あなたが舌診を求めましたが、僕は断りました。何十年前に僕がするべきことではないと悟っているからです。僕の舌診や脈診などよりも、あなたを診断されたお医者さんの方を信じます。内視鏡で腸にも胃にも問題がなかったってことを信じます。診断名に過敏性腸症候群とつけたことを信じます。ただ僕が信じたのは内視鏡検査の結果です。先生が過敏性腸症候群と診断名を付けたのは「病気ではないから安心して」というメッセージです。僕は診断名は、あなたを安心させるための苦肉の策だと思っていて、診断名は信じませんが、その先生の気配りを信じます。
 数時間もかけてやって来たあなたが、「腑に落ちた」と言って下さって安心しました。僕より先に相談された漢方薬局さんが、なぜあなたをタンパク不足に誘導されたのかわかりませんが、「来てよかった」「薬剤師の国家試験に通ったらまた来ます」と言ってくれたのはとてもうれしかったです。なぜなら僕もあなたと同じように「どうしてもなりたかった薬剤師」ではないからです。兄弟の上が全部薬局を継がずに、お鉢が回って来ただけの薬剤師ですから、あなたの今と同じやる気など全くなかったです。
 牛窓に帰り、失意のうちに過ごしていたのですが、不思議な縁で漢方薬に出会い、と言うより僕の先生に出会い「薬剤師でよかった」と思えてから40年近く薬剤師人生を楽しんでいます。きのうあなたのための煎じ薬をあなた自身で作ってもらったのも僕と同じ「何かのきっかけ」を期待してです。これからの人生できっと待ちに待っていた出会いがあります。その時のために薬学生の特権を生かしてください。
 心身ともに元気になっていただける薬草たちと、あなたの節制でおそらくすべて解決してくれると思います。2週間で解決しなければ4週間で。僕が何を考慮したらいいのかを教えてくれればその都度考えます。でも、あっという間に治りそうな気もしています。病気ではなく、所詮身を守ってくれていた症状ですから。

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