秀明太鼓

 例えば、アメリカ人が英語を話していて、途中方言を使ったかのように、本当にさりげなく6つ、いやそれ以上の様々なタイプの太鼓を打ち鳴らし始めたから、僕はその凄さに最初、気が付かなかった。
 さっきまで、完成された実力で太鼓の演奏をしていた二人が、今まで太鼓おたくの僕でさえ見たことがないような超絶技巧を見せてくれた。そう、気がついたら、とんでもない演奏が始まっていたのだ。太鼓の演奏を言葉で表すことはできないが、様々な太鼓を並べて、目にも止まらぬ速さで、それも寸分の乱れもなく打ち続けた。本当に「気がついたら」状態で、一番の山場をさりげなく持って来た演出も凄かった。
 宗教団体の演奏だから、聞く方も礼儀正しく、大きな拍手だけで応えていたが、他の演奏会だったら声援や口笛が飛び交うだろう。鼓童の指導を受けたとあって、太鼓を打つ技術は超一流で、無駄な修飾を避け、古武道にでも通じるのではないかと言う真摯な太鼓を打つ姿は、商業主義から離れたところにある幸運が、最大限に生かされていて、心は洗われ、鼓舞される。
 会場を出て、用意されたバスを待っている時に、「信心もないのにあんなに素敵な演奏を聴かせていただいてありがとうございます」と世話をしていた信者の方々にお礼を言うと「そんなことは関係ないです。明日からまた頑張ろうと思ってくださればそれだけで嬉しいです」と言われた。まさに僕は、また頑張ろうと会場の中で考えていたのだ。何かを提供するときの決まり文句ではあるが、宗教団体の方から言われるとありがたい。
 本来なら車で会場の福山まで行きたかったが、既に岡山市街から渋滞気味で、とても時間までに間に合いそうになかった。そこで急遽、新幹線で行ったのだが、溢れんばかりの旅行者の姿と、僕に体調不良のメールをくださる方々のギャップを感じ、不愉快なまま福山駅に降り立ったが、そんな気持ちを払拭してくれ、明日からの活力もいただいた。
 職業的太鼓集団は、経済的基盤を維持すtるために、時として商業主義が優勢になり、本来の太鼓集団から変節してしまいがちだが、純粋に太鼓に固執して精進してもらえたらと思う。部外者が勝手な希望を言っても仕方ないが、宗教団体だからこそぶれなくて済む力を持っているはずだ。

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