第九のコンサートを玉野市でやれる会場があるのかと思っていたら、総合体育館(レクレセンター)と言う施設で行われた。
施設に入ってみると、正に体育館だ。かなりの広さで、室内競技ならどんなものでもできそうだ。それもプロの公式戦でも出来そうな広さだ。観客席は、床のスペースが中心で、正面に向かってコの字型のスタンドがある。
舞台はコンサート用ではないから狭く、合唱メンバーだけが上がって、楽団や指揮者はフロアの上だ。だから１０００席は越えているかもしれない事務用の椅子に腰かけている人には、最前列以外、楽団員の首から上くらいしか見えないのではないか。だから僕達はあえてスタンドを選んだ。楽団員や合唱の方々の顔は見えないくらい遠いが、クラシック、それも第九を観て聴いてもらうためには良い選択だったと思う。
語彙の少なさから「面白かった」には抵抗はあるが、僕に何かの感想をベトナム語で言えと言われて、それに勝る答えなどできないのだから、心地よい経験をしてくれたものと勝手に解釈している。
体育館でも本格的な体育館だからか、結構音響はよくて、楽団員や合唱メンバーの努力は質を落とすことなく聴き手に伝わったのではないかと思う。主催者が言っていたように１０００人を超える方が聴きに来ていたが、どうしてこんなに集まるのだろうと言うのが僕の印象だ。合唱団員も１００人を超えていたように見えたが、それもまた印象的だった。
小さなカトリック教会が辛うじて残っていることと何か関連付けて考えたくなるが、嘗て岡山県と香川県を結ぶ連絡船の港があった街、巨大造船所がある街として栄えた遺伝子のなせる業か。
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