感動

 日台音楽交流会と言うものがあることは知っていたが、台湾の音楽に関心はなかった。コロナが終わり、交流会が復活するからと、昨日パンフレットをある人からもらった。今日がその日だから前日貰ったことになる。
 今日の午後は予定がなかったから、内容を見てみると、4つのステージのうち3つが、目を引いた。言い換えると台湾の演奏以外は、僕の好きなジャンルだった。またよりによって、パンフレットをくれた本人も演奏するし、彼女の次に舞台に上がる夫婦もよく知っている人だった。
 灯台下暗しで、中央公民館が階段状の席を持つホールだと言うことも知らなかった。少し小さめではあるが、それらしい雰囲気は楽しめる。
 最初に演奏したのは、beZen鼓空と言う長船の和太鼓チーム。年間10数回和太鼓のコンサートに行く僕だから評価はどうしても口が辛くなるが、高校生に見える若い子が多くいたのが驚きだった。アマチュアチームで、若い人が圧倒的に多いチームは滅多にないが、まるで高校のチームみたいに見えた。チームによって目指すところはそれぞれだから僕が何かを言う資格はない。同じ市にずっと以前からありながら縁遠いチームだった。
 2番目の舞台が正に、昨日パンフレットを持ってきてくれた三味線を弾く蛯名宇摩。僕の先輩との縁が濃いかった人が偶然牛窓に引っ越してきて知り合った。和太鼓と三味線のジョイントは何度も見てきているから、三味線についてある程度の耳は持っている。津軽三味線は特に僕ら素人にも受ける要素があり、僕も大好きだ。彼女は三味線をかき鳴らしながら自分で歌った。このパターンは初めての経験だから新鮮だったし、こんな声が出るんだと、その喉が心配になるくらい高音で響く声だった。彼女の10数人に上る弟子たちとの共演は、乱れることなく、素人を良くそこまで育てたなと感心するほどの出来栄えだった。
 3番目の舞台はakada bear park。要は赤田夫婦だ。二人ともよく知っていて、もう10年以上前に彼らの舞台を見に行ったことがあり、それ以来のことだから懐かしかった。アルトサックスの音がとても良かった。場所が場所だけに踊り出すことはできないが、思い切り体を揺らしてリズムをとることが出来た。心も体も脱力できる至福の時間だった。とくにハレルヤをやってくれた時には、涙が出そうだった。ゆっくりと歌い上げるハレルヤを、ユーチューブで何百回も聴いているくらい好きな曲だから。
 舞台で演じる人たちを見ていて、いただいた才能を羨ましく思った。多くの人達を、一度に感動させることが出来るのだから。

Bob Dylan - Knocking on Heaven's Door (Original 1973) - YouTube