ボタンの掛け違いは僕の人生では枚挙にいとまがないが、ボタン穴がないのは初めての経験だった。
 僕は何かを頂くと言うのが結構苦手なタイプだ。とくに苦手なのが、何かをしてあげた時のお返しの気持ち。これが一番の苦手。断ると相手のプライドを傷つけるから、貰わないわけには行かないのがややこしい。若い時には「絶対もらえない」と強く断っていたが、歳とともに難しくなった。
 最近では、僕の方からお世話になった方に、お礼を渡すようになった。自分でそういった行動が身に付いてきたことに驚く。いいことなのか悪いことなのか今だわからないまま、世の常識に従っている。
 4年間親しくしていたベトナム人が帰国して半年くらいに、お礼に2着のジーンズを送ってきてくれた。僕がこのパターンしか履かないことを見続けていたから、まさに僕のお気に入りのタイプ。
 とにかくポケットが多い。後ろに二つ、横に二つ、そしてここがポイントだが、大腿部に二つある奴。僕は基本的にはどこに行くにも荷物を持たないから、ポケットが多いのが助かる。昔なら、職人が履いていたようなもので、今はジーパンでそのようなものがある。色は何でもいい。
 僕はこれはプレゼントをくれる意図があるなと感づいたら、衣服は勿論、靴もサイズを絶対教えない。そうすれば諦めるだろうと思いきや、意地でも買ってくれる。だから結局は履けなかった靴やズボンは複数個ある。ありがとうと言ってもらったはいいが、大きすぎるもの以外は別の用途を考えざるを得ない。大きすぎるのは無理をすれば利用できるから、破れるまで使う。ズボンも少し歩けばずり落ちてしまうようなものを冬専門として使っている。上下の下着や衣服を重ねた上からだとずり落ちないので。
 今回送ってこられたものは逆に超スリムで、息を大きく吸って力任せでないと前でボタンが合わせられない。失神しそうになるくらい頑張ったら何とかボタンがあった。
 捨てなくてよかったと喜んで使っていたら3日目に、お腹に力を入れた瞬間にボタンが飛んだ。まだ三日目なのに、糸が切れたわけだ。
 2着送ってくれていたので、もう一着挑戦してみたら、なんとボタン穴がないのだ。勿論右側にはボタンはついていたが、左に穴がないのだ。まさに、のっぺらぼう。今まで見たことがない。
 ベトナムではこんなことが起こるのかとあきれた。点検はないのか?と言う素朴な疑問だが、もしこれが乗り物や、工場の設備だったら「どうするんじゃ!」の世界だ。
まだまだ信頼には値しないのだと、再認識した。

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