中府三軒家六段獅子

 和太鼓の野外での演奏会がないことをスケジュール表で知ったので、丸亀城まつりに行こうかどうか迷ったのだが、結局は行った。その結局を後押ししてくれたのは、獅子舞の競演だ。競演と言っても本当の競演で、10数チームが同時に踊り出すのだ。観客はお目当てがあればその前に陣取るだろうが、僕みたいに四国の人間でないばあい、目移りがしてしまう。
 獅子舞と言えば伊勢神宮の格式高いものしか知らないから、四国の多くの所に点在する伝統的な獅子舞は、規格外だ。色鮮やかで、踊りが激しいから、中で舞う人は、新体操の選手にでもなれるくらいの運動神経と体力を兼ね備えていないとできない。時折素顔が見える時があるが、苦悶の表情をしている。面で、布で隠れているが、舞手の鍛えられた肉体と技で成り立っている。
 太鼓も多くは激しく打ち、なんとなく香川県の和太鼓のレベルが高いのと関係あるような気がした。村々に伝わる獅子舞で、幼い時から和太鼓の音やリズムが多くの人の耳に残っていたのではないかと思う。
 今日はさすがにスマホかカメラを持っていないことを悔やんだ。スマホはもともと持っていないが、カメラはインスタグラム用にと漢方問屋の専務さんから古いものを貰っていた。ただ残念ながらとうに壊れてしまったので、目に焼き付けるしかない。ただし、あの結構長い踊りを言葉で表現することは不可能だ。「ただただ、常識を吹っ飛ばす演出と演技には驚かされた」としか書けない。
 ただ、どうしても12チームの中の、ある一つを皆さんに見てもらいたかったので、太鼓をたたいている人が着ていた法被の背中に書かれている地名を懸命に覚えて帰った。そしてユーチューブで検索してみると、案の定アップされていた。あれだけ優れた舞なら当然他の方がアップするだろう。文末にhttps?を貼っておくからぜひ皆さんに見ていただきたい。
 田舎で懸命に伝統文化を継承する人たちのひたむきさを見てほしい。ひたむきに郷土を守り生きる人たちの思いを感じてほしい。
 また香川県が好きになった。引退したら、香川県に安アパートを借りてフェリーで通おうかな。

丸亀城の夕べ 中府三軒家六段獅子 2012.7.28.MTS - YouTube