常識

 いつ頃からだろう、僕もしゃがんだ姿勢から立ち上がる時に「よいしょ」と声を出すようになった。自分でも嫌だったが自然に出る。誰もが通る道はやはり僕も通るのだ。なかなか特別にはなれない。
 漢方薬の粉薬を作る時に、古い機械を使うから、スイッチを押せば出来上がりではなく、結構機械を助けるような作業が必要になる。その作業がしゃがみこんでの姿勢でないとできないので、おのずと何十回も1日ではその言葉を発していることになる。膝を壊してはいないが、筋肉が落ちているせいだろう、つい気合を入れてしまう。
 ところがこの「よいしょ」はとても有意義な声出しらしいことを知った。何かの動作の前に「気を抜く」ことがとてもその後の動作の負荷を緩めてくれるらしい。真正直に受け止めてしまうリスクを、その掛け声で軽減しているらしい。
 研究成果の発表を読んで、「よいしょ」が恥ずかしいものでも、引け目を感じることでもないことを知り、その後は気楽に口にしている。気合をいれているつもりが、気を抜く効果だってことは意外だったが、意識してみると確かにそのように思う。
 考えてみれば、多くの常識が、否定されてきたが、中には。科学では測れないことが、科学で証明され、市民権を再獲得するものもある。何万年に及ぶ人や動物の営みに、意味のないものはないだろう。

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