脇見

 世界で2番目に行ってみるべきところにランクされたのが、盛岡市の桜。ランク付けした外国の会社の名前は忘れたが、信憑性があるのかどうかはその番組では分からない。ただし、いくらワイドショーでも信頼できるものでないと取り上げないと思うから、ある程度正しいのだと思う。
 番組を見ていて、「こりゃあきれいだわ」と声を出したくらいだから、2番かどうかはさておいて、行ってみたいところにランクインするのも頷けた。川沿いに2kmにわたって桜並木が続くが、その地の良い所は、桜をもろ見ながら歩けたり、茣蓙を敷ける所だ。桜を背にして花見をしている光景があるが、あれはいただけない。あれは花見ではなく脇見だ。
 番組では、イスラエルからわざわざ来た青年に密着していたが、若い外国人男性でも桜の美しさが分かるらしく、写真をいっぱい撮っていた。桜が散るわびさびまで、理解できるのかどうかは分からないが、咲き誇る姿には感動するのだろう。行ってみるべきところの情報を得て、1位のロンドンを差し置いて、わざわざ岩手に来たらしい。
 ところで僕は、本当に理解できずにこのようなテレビを見て不思議に思い続けていることがある。それは外国人が全く自由に日本を旅していることだ。団体客でガイドを付けているのならまだわかるが、日本語をできない人が自由に日本国内を旅行している姿を見て凄いなと感じてしまう。どのようにして情報を仕入れて行動しているのだろう。どのくらいのお金を持ってきて、どのように支払っているのだろう。宿はどのようにして予約しているのだろう。分からないことだらけだ。
 僕だったら身の危険を一番に考えると思うが、彼らは日本人を、日本を信じきっているのだろうか。旅の途中で襲われたりすることは心配しないのだろうか。インバウンドとかワンバウンドとか、まるで野球用語のようなことがもてはやされて、こびへつらう日本人を恐るに足らなくなったのだろうか。

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