新事実

 このような状態を日本語ではどう表現するのだろう。思いつく言葉を知らない。何か単語と言うか造語でもあればと思うが、状況を丁寧に表現するしかないのかな。
 昨夜数人のベトナム人と話をしていて、一人は日本人と結婚したいと言い、一人はもうすぐ営業を始めるドッグパークのスタッフとして働きたいと言う。二人とも来日してから3年が経っているが、日本語の勉強をほとんどしなかった。日本語を覚えようというモチベーションは、当初から希薄だった二人だから、どちらの要求も難しそうだ。
 そこで通訳を介して、結婚したい方に尋ねてもらった。「1日中、ご主人と何を話すの?」と。すると彼女は、来日した女性のほとんどがこれだけは覚えるフレーズを口にした。ベトナムではこれが大切な挨拶なのだろうと今では確信しているくらい誰もが使える言葉。「オトウサン ケサハ ナニヲタベマシタカ?」
 そこで、通訳を介して「お昼はどうするの?」と尋ねると「オトウサン ケサハ ナニヲタベマシタカ?」と答え、夜はどう尋ねるのと聞くと「オトウサン ケサハ ナニヲタベマシタカ?」と答えた。本人も何か変だなと感じていたのだろう、はにかみながら答えた。
 もう一人のほうに「〇〇さん、ショップで働いてもらうにはかなり日本語ができないと駄目よ。〇〇さん、どんな日本語知ってるの?」と尋ねると、少し考えてから列挙した。「オハヨウゴザイマス アリガトウゴザイマス 〇〇カチョウ △△リーダー ザンギョウ チコク イクラデッカ」
 全部ごくごく限られた空間で使われる言葉だ。本人も日本語に対する無知さが分かっていて笑いながらなのだが、職場での必要最低限の単語しか出てこなかったので、3年間の習得した日本語が、これだけかとおかしくておかしくて笑いが止まらなくなった。二人続けての空しくなるような日本語の習得の貧弱さがおかしくて4人が一斉に噴き出したのだが、相乗効果なのだろうか、それこそ適当な言葉はないが「笑いが止まらなくなった」のだ。懸命に止めようとするが、ソファーに寝転がってお腹の痛みをこらえながら笑う子を見てしまうと、止まりかけた笑いも止まらなくなる。何度も不規則な連鎖反応が繰り返され、涙は出るし腹筋は痛いしで、いてもたってもおられなくなり、僕はそこらじゅうを歩き回った。自分の家だったら僕も床に倒れて笑いこけたかもしれないが、そこはよそ様の家だから歩き回ることで何とかしのいだ。
 結局どのくらいの時間笑い転げたのか知らないが、何とか鎮火した。今自然にこの言葉「笑い転げて」が出てきて、表現として一瞬「これだ」と思ったけれどちょっと違う。これでは腹筋の痛み、すなわち苦痛までは表現できない。やはりお決まりの成句はないのか。
 そしてここからつまらない結論。「外国人も、お腹が痛くなり、そしてそれが止めれなくなって苦しむ笑いがあるんだ」と言う事実を発見した。その新事実を何度も口にしながら痛さに耐えた。「ベトナム人も笑いすぎて、お腹が痛くなるんか!」

 

ウクライナ危機に乗じて安倍晋三と橋下徹が主張する日本の核武装。ロシアの仕掛けた戦争は第三次世界大戦権益を作り出したい権力者達の思惑がある。安冨歩東大教授。一月万冊 - YouTube