立派

 幼い時には、買い物に良くついてきていたお嬢さんが、かれこれ10年くらいひきこもっている。中学生のころまでは記憶があるから確かにそのくらい薬局にも来ていないことになる。おしゃべり好きのようには見えなかったが、陰気と言うわけでもなく、スポーツもよくできて、何があってそのようになったのかは僕にはもちろんわからない。
 実は親にもわからないみたいで、久々に歯がゆさを吐露した。僕に何か相談をしたかったわけではない。いつものように漢方薬を渡してふとその話題になったのだ。
 色々親の立場から不安や不満を述べていたが、時代がそれを受け入れているから、親も苦しいほど悩んでいる風でもない。学校に行きたくない子が行かない。働きたくない子が働かない。それらを認める寛容さも日本には育ってきていると思う。
 格差が広がり、いい目ができる人はより美味しい時代になり、底辺に属する人にはより生きづらい時代になった。後者はせめて、立ち止まりゆっくりする自由くらい認められないとやっておれないだろう。
 幼い時の不幸は、誰にも負けないと自負する母親は「家がいやだったら出て行って一人で何とかしたらえんじゃ。私なんか、出ていちゃるって1円も持たずに15歳で出て行って生きてきたわ」と憤りかあきらめかわからないような口調で言った。
 そこで僕は母親に少しだけ優しい声をかけてあげた。「〇〇ちゃんは立派じゃないの。自分みたいにグレていないんだから」

 

自民党も大企業経営者も権力者達が大混乱!コロナを無視して出勤出社を強要してくる暴力者達の作る日本の未来って何なの?安冨歩教授電話出演。一月万冊清水有高。 - YouTube