劣化

 馬鹿芸人や能無しのタラントばかりがテレビに出てくるから、ほとんどニュース以外見ることがなくなり、寝る直前までパソコンの前にいることが増えた。特にユーチューブで面白いものやためになるものを見ていると飽きないから、つい集中して寝るべき時間直前まで頭を働かせていることが多い。
 僕は寝つきがいい方で本来ならばバタンキュウなのだが、最近はバタンくらいで、おそらく5分くらい、運が悪ければ10分くらい寝付けないことが増えた。そこでふと気が付いて、少し早めにパソコンを切り上げて、面白くなくてもテレビの前のソファーに腰掛け、テレビを見ることにした。するといつの間にかうとうととしている。睡魔に襲われた状態に嘗てのようになり、ふらふらしながら寝室に移動することが増えた。いわば強制的に「これから寝る時間」と言う風に切り替えることがなくなり、境目が消失した。自ずと布団に入ってから眠りに落ちる時間が早くなった。
 「一日のうち一定の時間、脳がぼんやりした状態にあることは大変重要」らしいから、面白くないテレビなどうってつけかもしれない。皮肉にも、テレビ制作者の質の劣化に救われていると言うことだ。