元気

 「最近の私は、自分に自信がついてきて、心身共に元気になってきました。」
今日漢方薬の注文をメールで受けた時の一文。簡潔な表現だが、僕が目指しているのはこれに尽きるのかなと腑に落ちた表現だったので、とても印象深かった。
 所詮漢方薬だから、所詮薬剤師だから、現代薬を駆使して活躍する医師のように、命を救う職業ではない。特に僕など、現代医学で救えなかった「不調を持った元気な方」をお世話しているに過ぎない。ご飯は食べれ、ウンチが出て、眠れれば元気という僕の先生の言葉を借りれば、ほとんどの方がそれに当てはまる。
 その上、学校に行けたり、仕事に行けたりしている人も多いから、治って当たり前の方を「治している」だけなのだ。日照りが続いた畑に雨が降り、干上がった潟に満ち潮が押し寄せただけなのだ。
 一時見かけなくなっていた雀たちが戻ってきた。何が彼らの存在を脅かしていたのか知らない。しかし復活の兆しは見えてきた。あの小さな雀たちが小さな群れをつくりテニスコートで何かを啄んでいた。そう、幼い時に毎朝のように見ていた光景が戻ってきた。
 そう、あるべき景色に戻ろう。自信をもって自由に。少なくとも薬剤師でお手伝いできる人たちは元気なのだから。