開業

 いいな、漢方薬局を開くなら、東京に限る。
 今日漢方相談を受けた方は東京の方で、僕のところに連絡をくれる前に他の薬局で漢方相談をしたらしい。すると改善したい症状の効果が3年くらい漢方薬を飲まなければ現れないと言われたらしい。治るのが3年ならわかるが、いやそんな根拠のないこともそもそも言えるわけがないから、どっちみち、訳が分からない数字だ。僕に言わせれば、3年間は効こうが効くまいが稼がせてくださいにしか聞こえない。田舎でそんなことを言うと誰も来てくれないばかりかあっという間に噂でつぶれる。わずか数千人の人口しかないのだから、効かない人を作るのは致命傷なのだ。大都会だと効かなくても次から次に新規の患者さんが入れ替わってきてくれれば、自分が薬局を経営している間くらいは余裕をもってやっていけれる。
 漢方薬も田舎に比べたら倍以上の値段だから、笑いが止まらないだろう。同じ会社の材料を使っているから原価は同じはずなのに。金持ちが多いのか、金持ち狙いなのか分からないが、これでは漢方薬を飲める人が減る。そのせいか、どの地方でも、いやいや大都会でも漢方薬を本当に扱えるところがどんどん廃業している。ただし、ピンチはチャンス。ぜひ野心に燃えて漢方薬局を開業したい人がいたら東京で。