国賊

 こりゃあ駄目じゃ。もう勝負はついている。頭を切り替えて生きるしかない。スカなどに任せていたらいよいよこの国は没落まっしぐらだ。汚部と同じ金持ち連中しか頭にないのだから。
 僕が扱っている商品で一番高い薬は牛黄で出来ている薬で1日分と言うか1回分が、4180円だ。心臓病や急な疲労やインフルエンザで高熱を出している時など抜群に効く。ただし、この値段だから体にも効くが財布にも効いて、飲む人はほとんどいない。かつて3000円のころは数人が常時服用していたが、その方々のほとんどは今はもういない人になってしまって、商品は並んでいるだけで経済的に飲める人はもうほとんど僕の薬局には来ない。都会の大金持ちの方を薬局に引き付けているところでないと実際には飾っているだけのものだろう。
 それなのにそれなのに。それがまたまた値上がりするらしく、今度は一気に8000円になると言う。しんどい時や高熱の時に1回服用すると8000円。しんどくて朝と夜に2回服用すると16000円。「誰が飲むんじゃあ!」と思わず口にしたら、その会社のセールスが飲む人を教えてくれた。な、な、な、何と中国人が飲むそうだ。特にコロナで飲む癖がついたものだから、急に品薄になって、急激に値上げされたのだ。中国人が豊かになって、かつてはほとんど日本に輸出されていた漢方薬の材料を輸出してくれないのだ。自国民が優先的に漢方薬を飲み始めた。本場だから漢方薬の価値はよく知っているが、あまりにも貧乏で漢方薬などかつては飲めなかったのだ。それが経済的に豊かになったら、飲むわ飲むわで、日本人まで品物が届かない。そして驚いたことに、その牛黄の薬は現在中国では1個1万円で売られているそうで、それでもなお品薄らしい。この経済力の差を皆さん知っているだろうか。実感として理解できるだろうか。今だ日本人の方が金持ちなどと政府やアホコミニの宣伝を信じていないだろうか?
 今や日本の土地や水源、もちろん高層ビルや企業を買いまくっている中国にもう勝てない。「買っていただいてありがとうございます」の気概のない日本人が多くいるからだ。将来などどうでもいい、中国の植民地になっても今自分の懐が潤えばいい、そんな人間が政府や鬼業人の中にいっぱいいるのだろう。こういった人間こそ国賊と言うのではないか。