不要

 今度総合病院を受診するから、服用している漢方薬の名前を教えてと頼まれた。めまいを治す漢方薬だが、僕は2つの漢方薬を飲んでいただいていた。その二つの名前を持って病院にかかると、一つは採用されて、もう一つは不要だといわれ、病院で処方をしてくれた。ところがいざ病院でもらった漢方薬を飲み始めると、改善していた症状がぶり返した。心配になって連絡をくれ、すぐに従来の漢方薬を送った。
 問題は二つある。この方は経済的に困っていないから、保険で漢方薬を飲む必要はなかった。病院で処方されるだろう薬と僕の漢方薬が重複して飲めるかどうかが心配だったから、先生の依頼にこたえて処方を僕に尋ねたのだ。ところが先生は、ご自分で同じものを処方された。ところが病院で出る漢方薬は、かの有名な会社のだから濃度は薄い。僕の漢方薬は台湾のもので混ざりものがかなり少ないから結構効く。その方もそのことをどこかで耳にしていて、病院の漢方薬はそんなに信頼していなかった。
 もう一つの問題は、先生が必要ないといった処方がとても完治には大切なものだってこと。病院ではおそらくセールスに、こういった病気にはこれと言うように、病名で漢方薬を選択するように教えられていると思うが、漢方薬はそうした選択を本来あまりしない。自然治癒力を導き出すことを得意とする。僕は先生が不要と言ったほうこそ重きを置いていたのだ。確かにその方に適する病名は載っていないから、先生は無用に思われたのだろう。
 そもそも薬局に漢方薬を求めてやってくる方は、現代医療で改善しなかった人。漢方で患者さんの体力を底上げし、ご自分(病院)の現代薬で鋭く切り込む、そんな協業ができたらいいなと思う。
 もっとも息子とも、そんなことができないのだから、他人とはなおさらだ。心の広いお医者さんがいないかなあ!

 

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