僕より少しだけ年上の女性が首の病気で病院にかかった。年齢的に椎間板のクッションが水枯れを起こして硬くなっているから、水分をたくさん摂るよう勧められた。逆に、利尿効果があるものは禁止で、大好きなコーヒーとウーロン茶が禁止されたらしい。でも忠実に守って実行していると1か月くらいしたら痛みが引いて来たらしい。その時に実はもう一つ禁止されたものがあって、それが僕が作っている煎じ薬だ。
ところが先生が禁止を言い渡したにもかかわらずその女性は「あの漢方薬は絶対やめません」と答えたらしい。その答えは先生には想定外だったらしく、女性が真似て再現してくれたのだが「うーん」とうなって首を大きく傾けたらしい。
結局は先生が譲歩してくれたらしく、女性はまさに今日その漢方薬を取りに来た。
このエピソードを聞いていて、医師が権威だけでは患者をコントロールできない時代が来ているのだなと感じた。自分の身は自分で守ると言う、当たり前のことを実践するのを邪魔することは出来ないのだ。
僕らはあらゆる分野の権威が総崩れの時代を目撃者として生きている。
