内容次第

 日曜日に、玉野教会で行われるベトナム人同士の結婚式の後、この時期だから盛大なパーティーは避けて茶話会程度のものを開くらしい。その席で瀬戸の花嫁を歌うからギターで伴奏をしてほしいと先々週頼まれた。昔よく耳にしていた曲だから簡単に弾けるだろうと、即引き受けた。先週の日曜日、今度は違う人からさだまさしの「亭主関白」を歌いたいから、それも伴奏をしてほしいと頼まれた。でもこれは断ることにした。これもしばしば耳にしているから簡単に弾けるとは思うのだが、改めてユーチューブで探して聴いてみると、今の時代には全く受け入れられないような歌詞だった。また、男女が家事なども公平に分担するベトナム人にとっては「何を不愉快なことを言っているのだろう」状態だ。依頼してきた女性は僕と同じくらいの年齢だから、歌詞のままの生活を送ってきているのだろう。僕も決して違和感は持たない。男性にとっては最後の楽園みたいなもので、僕ら以降の世代にとっては、「江戸時代か!」くらいなものだ。結婚する本人達より、世話をする日本人が郷愁に浸る場所ではないので、これはきっぱりと断りを入れるつもりだ。
 基本的には何でも引き受けるが、時に断るものもある。要は内容次第だ。