くらしき作陽大学のニューイヤーコンサート

 とにかく有難いに尽きる。僕みたいなにわかクラシックファンが、大金をはたいてコンサートに行っても1割も回収できないだろう。ましてどんなときも5枚チケットを買うから、痛手は大きい。ところが今日、くらしき作陽大学ニューイヤーコンサートは無料だった。学生が発表会を兼ねてするのだから、それはありうるだろう。又だからこそ、演奏の質は少しは我慢しなければならないと勝手に想像していた。
 ところが、何で大学にこんなに素晴らしいホールがあるのだろうというところから始まって、演奏も僕ら素人にはもったいなさ過ぎるくらい上手だった。特にバイオリンでソロを弾く長坂拓己氏などは相当の経歴の持ち主らしくて、無料で聴けるなどもったいないくらいの人みたいだ。
 今日同行したベトナム人は、ベートーベンの第九に誘うことが出来なかった玉野教会の人たちだが、そして僕以上にクラシックなど縁遠い人たちだが、何故か果敢に挑戦してくれて、一人終始爆睡を除いて、かなり感動を受けたみたいだった。帰りの車の中で口を揃えて「キョウ タノシカッタ」と言ってくれた。
 ところで最初の曲は「ヤナーチェクの弦楽のための組曲」と言うのだが、この曲のときは5人ですやすやと眠った。僕も疲れが取れた。前回も書いたが、、どうしても旋律を覚えることが出来ない。そのくらい心の中に印象として留まってくれないのだ。それと打って変わって「ヴィバルディのヴァイオリン協奏曲四季」はタイトルは知らなかったが、曲が始まると思わず「これかー」と小さく声を出してしまった。良く耳にする曲だ。そして次の「モーツァルト交響曲第40番ト短調K・550」が始まると、再び「これかー」を繰り返した。
 僕もにわかファンなりに音楽に癒されたが、幸せそうな顔をして聴いている彼女達を見て又癒された。仕事以外で、この年になって人の役に立てるのは有難い。