感動

 伏見稲荷大社から上賀茂神社経由で金閣寺まで行くために、京阪と地下鉄を2つ乗り継いだように思うのだが、思いのほか時間を節約できたのはシャトルバスを帰りは使わずに、上賀茂神社から金閣寺までをタクシーを利用したからだ。シャトルバスでもと来た駅まで戻りし、そこから又電車を利用すればかなりの時間を浪費することになる。今回の京都旅行を、またまたガイドしてくれた知人が考えてくれた時間と体力を温存する方法が功を奏した。実はもう1箇所タクシーを利用したのだけれどそこでもかなりの時間と体力を温存することが出来て、まさかの時には訪ねる名所を減らすという保険も使う必要がなかった。
 いつものようにベトナム人たちが喜ぶ姿を見て僕もそれなりに達成感はあったのだけれど、一番印象に残っているのは、超混雑をしていた名所あたりとは違って、タクシーが近道を選んで走行してくれたのだが、1歩入った裏通りは閑散としていて車も人通りも少なくて、初めて見る光景だった。外国人だらけの異様な街でも、1歩入れば日本人が暮らす静かなところもあるのだ。
 観光地に行き、喧騒の姿にいつものようにうんざりしたが、それらとは隔絶された市民の日常があることを垣間見て、皮肉にも一番感動した。