正解

 両親が胃がん、祖父の一人も胃がん。なかなかの血筋の僕だから、以下のような記事が目に付く。

がんの家族歴は、いくつかのがん種におけるリスク増加の重要な因子である。がんの家族歴と、遺伝的に一致するがんリスクとの関連は多くの疫学研究で報告されているが、生活習慣を調整した包括的な前向き研究はない。今回、わが国のJPHC研究において、国立がん研究センターの日高 章寿氏らによる研究から、膀胱がん、膵がん、食道がんなどのいくつかのがん種で、がんの家族歴ががんリスク増加と関連することが示唆された。

主な結果は以下のとおり。

・追跡調査した180万2,581人年で、合計1万6,336人が新規にがんと診断された。
・がんの家族歴がない人に対して、家族歴がある人におけるがん発症のハザード比は、すべてのがんで1.11(95%信頼区間:1.07~1.15)、食道がん2.11(同:1.00~4.45)、胃がん1.36(同:1.19~1.55)、肝がん1.69(同:1.10~2.61)、膵がん2.63(同:1.45~4.79)、肺がん1.51(同:1.14~2.00)、子宮がん1.93(同:1.06~3.51)、膀胱がん6.06(同:2.49~14.74)であった。

 データの見方はあまりよくわからないが、膀胱がん、膵がん、食道がんが特に遺伝要素を受けると言うことだろう。となると、その筋の人は指をくわえて待つ必要はない。それぞれ助長する要因はかなり分かっているのだから、それから遠ざかればいい。
 膀胱がんの発生に一番引き金を引くのはやはり喫煙みたいだ。最大の原因とも表現されている。職業的に接触する染料への慢性接触も重要な発がん要因らしいし、食べ物ではワラビ、ゼンマイ、医薬品では逆説みたいだが抗がん剤のシクロフォスファミドなど。、すい臓がんは酒とタバコ、食道がんはこれまた酒とタバコ。
 酒を飲む人は、相性がよいのでタバコも吸う人が多い。両方を一緒に楽しむのだから、恩恵ばかりではない。失う物もないと都合がよすぎる。たしなまない人には不公平だろう。酒を飲む人に、それも元気なうちに節制を求めても聞く耳は持ってもらえない。それならこちらもつい「人生を楽しみまくったらいい」と言ってしまうが、それもまた生き方の一つだと思う。万人に共通の正解などない。