満足感

 笑えるけれど笑えない、けれど笑う。
 娘夫婦が殺処分1週間前のノンちゃんを引き取ってきてから1ヶ月が経とうとしている。半年くらいかかるといわれたが、結構速いスピードで心を開いてくれている。今では娘達の帰りをおとなしく待っている。時々連れて来てはスキンシップを楽しませてくれるが、なんとなくお腹が大きいのではないかとみなが気付き始めたのが3日前。そして翌日獣医に連れて行くと見事にご懐妊。そして昨日しんどそうと言っている間に、夜のうちに6匹の赤ちゃんを産んだ。昨日までは人見知りのおとなしいノンちゃんだったが、今日娘が送ってきてくれた写真では、いっぱしのお母さんになっていた。本能と言うものはすごい。
 命を救うってこんなに幸せなことはない。ノンちゃんを見ていると、殺されるところを救えた満足感で幸せになる。これ以上の幸せはない。多くの方が殺処分反対運動を続けているが、今なら気持ちがよくわかる。
 さて子犬たちをどのようにするのかは知らないが、4匹のつもりでいて、それぞれ貰い手のあてはあったようだが、6匹となると又探さなければならない。僕ら夫婦はもう名乗りを上げれる年齢ではない。こちらのほうが早く逝く可能性があるから。看取ってもらうには言葉が通じない。でも心は通じるかな。人間よりいいかな。