薬剤師

 今日も薬剤師。  土曜日は、休みの方も多いのか、漢方薬を求めてやって来て下さる人が多い。こちらも病院の処方箋の調剤が少ないので、スタッフ全員で応対できるメリットもあるから、ありがたい。薬剤師でない二人は休みだから、接待の質は落ちるかもしれないが、治療の面で言うと充実しているつもりだ。薬の情報誌で今日見つけたタイトルは「プロトンポンプ阻害薬で死亡リスクが増加」と言うショッキングなものだ。  この種類の製品が出てからすぐ僕は「お年寄りで胃酸を止めなければならない人がいるの?」と言う素朴な疑問を持った。その疑問とは裏腹に、時々この薬が処方され始めた。そしてあっという間に、多くの老人に、恐らく逆流性食道炎の治療のためだと思うが、処方されるようになった。そしていつもの事ながらどなたも延々と飲み続ける。胃酸のかなりの部分をカットするのだから、胃酸が果たす殺菌効果が落ちて、細菌にさらされている状態を作り出すと僕は懸念していた。案の定、最近になってようやく副作用が喚起されるようになった。特に最近僕が気になっているのは、認知症との関連だ。この薬を飲んでいたら認知症になる確率が上がると言う報告だ。もしそうだと、あれだけ沢山の人が漫然とプロトンポンプ阻害薬を処方されているのだから、日本の認知症患者は急増することになる。そして今日読んだ情報誌ではついに「プロトンポンプ阻害薬で死亡リスクが増加」と言うタイトルがつけられていた。簡単に言うと、プロトンポンプ阻害薬を漫然と飲んでいたら、ぼけやすいぞ、死にやすいぞと言うことだ。  以下のような報告を見せられ、まさか漫然と飲める人はいないと思うが、やはり身は自分で守らなければならない。薬が全て解決してくれるなどと言う幻想は捨て、動物に帰って、よく動き、よく休み、よく食べて、よく出して健康を手に入れなければならない。

 米国退役軍人局のデータベースを用い、プロトンポンプ阻害薬PPI)の使用と死亡との関連が検討されています。追跡期間 5.71 年(中央値)の解析において、H2 受容体拮抗薬が処方された患者(73,335 例)と比較して、プロトンポンプ阻害薬が処方された患者(275,977 例)では死亡リスクが有意に高い。PPI かつ H2 受容体拮抗薬の非服用患者と比較した場合でも、同様に死亡リスクの上昇が認められました。また、投与期間が長くなるにつれ、死亡リスクは増大しました。 PPI には、急性間質性腎炎、慢性腎臓病、認知症、Clostridium difficile 感染症骨粗鬆症性骨折など、様々なリスクがあることが報告されつつあります。

FROM: NPO 法人医薬品ライフタイムマネジメントセンター、 プロトンポンプ阻害薬・・・「タケプロン®」「オメプラール®」「オメプラゾン®」、「パリエット®」