巣窟

 いつから始まったのか知らないが、この数年、木曜日の午後8時を楽しみにしている。それはNHKのテレビ番組で「木曜時代劇」と言うのが放送されているからだ。7回から10回くらいで物語は完結するから、飽かないのもあるが、一番の魅力は時代考証が、いやその時代を復元する小道具さんの器用さが素晴らしい。  高松市にある四国村と言うところには、江戸時代の民家が幾棟かある。実際に四国地方から集めてきたものだから、当時のそのままのものだ。それを数回見たことがあるから、NHKの小道具さんがつくっているもののリアリティーが半端ではないのだ。正に江戸時代にスリップしているように感じられる。人の歩き方、喋り方、立ち居振る舞いの全てに当時を忍ばせる力がある。物語以上に僕はひきつけられる。  こんなに素敵な番組が作れるNHKなのに、このところタクシーチケットが何とかと言うNHKの会長とかの権力にこびている姿勢や、経営委員の出てくるところが違うだろうと言うくらいの存在感しかなかった。何処まで権力にこびれば気が済むのと言いたくなるようなやつ等の巣窟に成り下がるのか今が正念場だ。