草刈り

 猫の額ほどの広さでも、猫の額を200個位集めれば結構な広さになる。ましてそこに放置した草が奔放に生えているとしたら、否が応でも広く見える。  戦う前から戦意を喪失していた。去年までは雨で土が緩んだ日を利用してそれでも草を抜いていたのだが、今年は数本抜いただけで諦めた。駐車場の中の花壇の筈だったのだが、「もう、車を乗り入れて、駐車スペースにしよう」と言い出す始末で、娘の不評を買った。  ところが今年は娘婿が俄然頑張ってくれ、調剤の合間を縫って釜で草を刈っている。抜くのはさすがに不可能と見たか、しゃがみ込んで釜を使っている。これが結構効率的なのか、1週間もすればかなりきれいになってきて、前の持ち主時代から毎年咲いていたアヤメが顔を出した。今までは草のほうが丈が勝っていて、見えなかったのだ。  それにしても少しの努力の積み重ねが、出来ないと思っていたことをやり遂げるのを目撃した。ヤマト薬局を利用してくれる人たちの為に、少しでも心地よい空間と時間を提供したいと若い2人が努力しているが、薬局の中も外もずいぶん変わったと、久しぶりに訪れる人によく言われる。変わらないのは・・・