忍耐

 イギリスで予想を覆して保守党が過半数議席を獲得した。もっとも、やることはアメリカ追随で労働党と大した差がないから、何がどうなろうと知ったことではないが、あの国でも又日本と同じような人間が多数を占めるのだなと単純に軽蔑しただけだ。  かりにも労働者の意見を代表すると言う党と、企業の経営者たちに支持されている党が拮抗すると言うこと自体がおかしい。なぜなら企業の経営者など数で言えば圧倒的に少ない。1%の富める者と99%の貧しい人たちとの比率で示せば、労働党が99%の支持を得られるはずだ。ところが実際はあの通りだ。同じようなことはこの国でも言えるし世界中でもきっと同じような傾向なのだろう。人が何故そのような思考に陥り、そのように行動するのか僕には理解できない。おこぼれで生きていることを知っているからか。何か給料以外に得することがあるのか。福島の事故を見れば一目瞭然だが、社会の成り立ちのほとんどが、金や権力を持っている者達のためにあることをまず悟らなければならない。何十万人の家や土地や仕事を奪って何の罪にも問われない権力の側にいる奴等に対して、庶民はパン一つ盗んでも罪に問われるのだから。  ありとあらゆる媒体を利用して、洗脳し続けられた挙句が、イギリスもまたこの国も今の政党バランスだ。富めるものたちが莫大な資金と能力を動員して、作り上げた無知国家だ。従順で気概に乏しい国民をまるでベルトコンベアで作っているようなものだ。原発が吹き飛んで、遺伝子をかく乱させられてもなお従順なのだから、製品としては完成度が高い。この国の最も得意とするところだ。「まあまあ」のラベルを貼られ、生かさず殺さずで体温のあるロボットで生涯を終える。「まあまあ」以下が多ければ多いほど「まあまあ」が頑張って1%を支える。この国の人々も、イギリス人も忍耐にもほどが・・・・無いらしい。