正式名

 こうなると、無くてもいいものではなく、無いほうがいいものだ。  正式名を知らないが、報道の自由度をランク付けしたものがある。それによると、この国は59位だそうだ。世界中で国と言うものがいくつあるのか知らないが、ほぼ半分程度のところかな。と言うことはかの悪名高き国に近いのか、それとも欧州のほうに近いのか。雰囲気からすると北の将軍様の国のほうに近いような気がする。今の政府がやっていることはますますその国と似てきたように思われるから。  だからこの国のマスコミが正義とか自由とか言うのはチャンチャラおかしい。自分たちは福島の原発が爆発したときは全員引き上げたのに、紙面や電波では「直ちに健康被害は無い」と検証もせずに、馬鹿の一つ覚えのような国の発表を繰り返した。そのせいでどれだけ多くの方が余分の被爆を強いられただろう。そのことに関しての謝罪など勿論無い。 自分で取材しないで政府の広報係りと化したのは、いつか来た道と全く同じだ。だから結局彼らは何も変わっていないのだ。所詮営利企業の会社なのだから、存在理由は全て「銭」それ以外に何もない。そんなものが垂れ流し係として政治屋や役人を補完しているのだから、あほらしくて聞いてはおれない。  不愉快な年が終わり、より不愉快な年が来る。そんな予感が僕の心に重たくのしかかる。個人の些細な楽しみと、社会全体の穏やかな公平感、それが無くてどうして心優しく暮らすことができるだろう。