居心地

 正確ではないかもしれないが、恐らく合っていると思う。  高校生の6人に1人が、親の月収が10万円以下で暮らしているという新聞の記事を読んだ。新聞は最早信じるに値しないが、その文章を書いている人は信頼しているから引用させてもらった。なんとも不愉快な事実だ。居心地が悪いと言ったほうがいいかもしれない。  日本も中国も同じだ。あの国を馬鹿にして溜飲を下げている間に、この国でもとんでもない事態が進行している。世の事件を見ても分かるように、最早不幸、不運の再生産はしっかりと軌道に乗っている。アホノミクスやそのお友達は、それを画策しているからしてやったりだが、その本質を見抜けない庶民は、谷底に向かって集団で転がり落ちている。やがて、ネーミングは何か他のものになるだろうが、現代の奴隷や小作に成り下がるだろう。そして小作同士がいがみ合い、高みの見物でありとあらゆる富を吸い上げるやつらだけが傷つくことも無く、人生を謳歌するようになる。不正か、都合の良い法律か知らないが、あの国もこの国も、狐でも兎でも鷹でも紅葉でも狩らなければならないだろう。  生れ落ちてから、日の目も見れないなら、ぐれて当たり前だ。生活が苦しくて、同じように成長するのに手に出来るものが圧倒的に少なかったら、道をそれなきゃやっておれないだろう。表通りなんかまぶしくて悔しくて歩けるわけが無い。まるで生産性の無い時間を、拷問のような屈辱のなかでしか生きられないなら、弱きがより弱きを餌食にしても不思議ではない。アホノ何とやらにはうってつけの循環だ。何とでも使い、又捨てることが出来る階級の新たなる出現だ。まるで死にに行くようなところにだって疑問を持つことも無く出かけられる人間の製造だ。  一部の持てる奴等が大部分の持てざる人間を生かさず殺さず。何時代じゃあ!