和太鼓だけではせっかくの県北がもったいないので、午前中はノースビレッジと言う、県の?農業体験型施設?とやらへ行ってみた。そんなに期待していなかったのだが、意外と良かった。何がいいといって入場料が要らないのが一番だが、自然に少し手を加えただけで心地よい空間が作られているのがよかった。これ見よがしの設備はないが、ゆっくりと散策するにはうってつけだった。花が大好き人間が多いかの国の若い女性にとっては、楽しいひと時だったようだ。  4人連れて行ってあげたのだが、その中の日本初めて組の二人のうちの一人が常に先頭をきった。時には小走りで、いかにも興味津々のように見えた。僕はその好奇心がとても頼もしく思えた。僕はかの国から来た女性全員に必ず「好奇心を持って日本にいる間は過ごしてね。お父さんはその手伝いをするから」と伝える。せっかく青春期に外国に行くことができたのだから、その国の文化を体験せずに帰っていくのはいかにももったいない。僕らが青春期には考えられないくらい地球が狭くなったのだから、そして後進国の人でさえ外国にいける時代なのだから、仕事(お金)だけではもったいない。  早川太鼓のコンサート会場の隣が公民館で、偶然貼り絵の展覧会をしていた。時間つぶしのために入った不良観客だったのだが、先ほどの先頭を気って歩いていた女性が、とても興味を示し、絵から離れない。すると同僚たちが「○○ハ、エガ ジョウズ ダイスキ」と教えてくれた。そして彼女が描いた絵を携帯画面で沢山見せてくれた。日本に来てから描いたものらしいが、絵を超苦手としている僕にはとても上手に思えた。プロが見ればつたないものなのだろうが、「絵を描く事が好き」で僕には十分だった。これで彼女に向こう3年間「して上げられること」が分かった。早速、倉敷の大原美術館に連れて行く約束をした。  あまりにも増えすぎたかの国の女性たちに「意味のあるもの」だけを選りすぐって体験してもらおうと今年は決めている。