休日

 5月に入ってからのからの僕の決意。休日に仕事をしない。仕事のことを考えない。  30数年、働くことに快感を覚えてきたので、これはなかなか難しい。先週のように、小さな旅行でもすれば結構簡単なのだが、家にいながらその境地になるのはかなりハードルが高い。今日はそれに挑戦してみた。  駐車場の小さな畑の草を抜き続けてみた。もっとも手作業だから腰の痛みとの戦いになることは分かっていたが、その兼ね合いも又修行だと思って計画し、実行してみた。折しも今日から瀬戸内市の市会議員の選挙運動が始まるので、やたら通過するだろう候補者の車に愛想を振りまいていれば気持ちも仕事からそれるだろうと言う目論見もあった。 夏を思わせる太陽の勢いに時に立ちくらみを起こしそうになりながら、それでも気持ちの良い空気の中で土や草の感触を楽しめた。使い古しのテーブルと椅子を、患者さん達に使って欲しくて置いてあるのだが、それに腰掛けて中学生がテニスをしている光景を眺めるのも又、心を落ち着かせてくれた。朝の9時頃から、妻が教会から帰って来た12時過ぎまでそんな嘗ての僕なら無意味と表現してしまいそうな時間を過ごした。  昼過ぎにはハプニングもあった。ゆっくりと歩いてきた男性が、腰掛けさせてもらってもいいですかと言って、テーブルの上にビールとソーセージを並べ一時を楽しんでいった。少しだけ会話したが、地元の人のようには見えなかった。いつかこんな光景が駐車場で繰り広げられたらいいなとずっと思っていたので、このハプニングは嬉しかった。  市民病院の分院の分業が始まって娘夫婦はとても忙しくなって、僕と入れ替わったように、休日もやってきては仕事をしている。二人の健康も気になるが、いつでも手伝えるようにとスタンバイしていなければならない自分の健康も気になる。休日、働かないことがそれに役立つのかどうか分からない。例えば今日なんか逆に疲労感が強い。今までの流儀を変えることで肉体的なストレスを抱えてしまうのかどうか、もう少し実験してみなければ分からない。  寝ない、食べない、タバコ吸う、どうしてそれであの頃元気だったのだろう。