紙一重

 こっているのか悪のりか分からないようなネーミングはよくあるものだが、これも又その中の一つだろう。一つ間違えば実力以上に人気に火がつくこともあるだろうし、悲惨な結果に終わることもある。まさに紙一重だ。 漢方薬を飲んで頂いている関東地方のある女性がお盆休みを利用してご主人と伊勢志摩方面に旅行に行った。この辺りでも伊勢神宮に参拝する人は多いから、関東の人が参拝しても不思議ではない。ただ参拝が目的にしては少し若いから、伊勢志摩辺りをぐるっとという感じだろう。  その女性が漢方薬の注文がてら簡単な旅行の報告をしてくれたのだが、お腹に自信がないのにやはり旅先とあって色々な食べ物を楽しんだらしい。その中で冒頭の変わったネーミングのものを食べたらしい。特別その食べ物に対しての詳細な説明がなかったので、誰もが知っているという前提で書いてくれたみたいだ。確かにその前後に書いている赤福や伊勢エビは有名だから知っているが、真ん中の「ひまつぶし」は知らない。学生時代目の前に横たわっていた無限の時間をもてあそんだあの頃の最大のテーマがこの暇つぶしだった。僕はパチンコという最強の武器を持ってこの難敵に6年間挑んだ。牛窓に帰ってからは薬大で全く勉強をしなかったせいで、ほとんど役に立てず暇つぶしを通り過ぎて「穀潰し」状態だった。  次回注文の電話があったときに、ひまつぶしという有名な食べ物が何か尋ねてみたいと思う。願わくば共食いにならに様に。 「旅行先では、赤福氷や、ひつまぶし、伊勢エビと沢山食べてきました。・・・・・」