快挙

 快挙だ、快挙だ。ついにやったぞ、カラスのやつめ。 今年は2回ツバメの卵をカラスに食べられた。もういい加減諦めたらと思うのだけれど3回目の挑戦が現在進行中だ。もう少し利口になれと思うのだけれど残念ながら言葉が通じない。恨めしく忙しく飛び回る姿を下から見守るだけだった。 もう諦めかけていたがふとあることを思い出した。岡山市のある交差点で、民家の庭に恐らく作り物なのだろうがカラスをぶら下げていたのだ。何となくグロテスクだったが、きれい事はいっておれない。ゴミの収集日には必ず早朝から現れてゴミ袋を破ってやりたい放題だから、ツバメのためだけではなく何とかしなければならないと思っていた。そこで駄目もとで妻に作ってもらった偽カラスをぶら下げていたら、何と今朝はカラスが近づきもせずに、上空を通過しただけなのだ。妻が作ったのはハンガーに黒い布を撒いただけなのだが、それが意外とカラスが羽を広げているように見える。とらわれて打ちひしがれているようには見えないから心配していたのだが、雄々しく羽を広げたリーダーにも見えなかったのか、他のカラスが慕って集まるようなこともなかった。  これであのいやなカラス達を追い払うことが出来るだろう。ただカラスは利口だからすぐに順応してくるだろう。僕は先回りして先手先手と手を打たなければならない。だからもう次の手は考えている。今度は4つのカラスをぶら下げて一つ一つに名札をつけてやろうと思っている。野田カラスとか仙石カラスとか枝野カラスとか細野カラスとか、ツバメが懸命に作った巣を壊し、夫婦で育てた卵や雛を喰らう姿と似ているやつらの名札をつけてやろう。どうせなら町民に僕の作品を見てもらうためにタイトルも書いておこう「裏切りのカラスども」と。