長生き

 慣れていると言ってもこのおおらかさはなんなのだろう。恐らく肩まで浸かっている水には、色々な生活用水が混ざっているから、かなり劣悪な水質だと思う。足に傷があったりしたらたちまち化膿したり、全身的な疾患にかかってしまうことだってあるだろう。下水道の普及がどのくらいなのか知らないが、そんなに普及しているとは想像しにくい。となると・・・・顔をしかめるどころか、笑顔さえこぼし、諦念の極みかその中で日常生活を持続している人々に頭が下がる。奪われるだろうものの想像がついているのか、その災害の限界が分かっているのかうろたえていない。命まではとられないと言う妥協線がはっきりしているからかもしれない。 命は取られないという妥協線におおらかな生活を営むタイの国の人を心配してしている海のこちらのこの国の人は、命を取られる可能性をひた隠しにされ、だからこそうろたえていない。数字のトリックを無批判に受け入れる姿は半世紀前の不幸を彷彿させる。せめて子供には西のもの、出来れば九州のものをと言う善良な学者の声は一体どのくらいの人に届くのだろう。政治家、役人、マスコミ、拝金主義学者、自治体の首長、議員達、是非長生きして欲しい。東の国の人達の怒りが行動に転化されるまで。