理不尽

 信じられないのと、信じないのとどれくらいの差があるのか知らないが、僕は明らかに後者だ。前者の人達の悲鳴がそろそろ聞こえ始めた。福島は色々なものを暴露したが、信じない人達にとっては当たり前のことだし、信じられない人にとっては青天の霹靂かもしれない。国も企業も学者もマスコミも合法の鎧を着て簡単に人を殺すものだ。延々と繰り返された歴史は、今回もいとも簡単に繰り返された。情報を隠蔽し、見えない、臭わない殺人物質をまき散らした。これこそ力を握っている者達の壮大なテロだ。  福島県南相馬市伊達市の一部が避難区域になるらしい。こんなのは水素爆発したときから分かっていたはずだ。当時のデーターを公開していたら、当初の隠された被爆は防げたはずだ。これだけ放射線を浴びさせておいて今から逃げろだなんて、もし家族がそこにいたら、同じ事が出来ただろうか。真っ先に逃がしたのではないか。 イタリアでは地震を予知できなかったと言って学者が起訴されるようなニュースを聞いた。すごいことをするなと思ったが、地震で起訴されるくらいだったら原発は明らかに人災だから起訴どころか打ち首獄門だ。その土地の人も他の土地の人も寛容なのか臆病なのか分からないが、今の災難を引き起こした者達は何も傷つかずに生き延びるだろう。寧ろ時間をかけてバタバタと死ぬのは心優しい、ゆっくりとした言葉を喋る忍耐強い人達の方だ。理不尽だ、こんな事が許されていいのだろうかと嘆くだけではいけない。「最後は金でしょ!」とうそぶいてのけぞる奴らを許してはいけない。牛返せ、豚返せ、犬返せ、猫返せ、米返せ、家返せ。