風評被害

 30kmより遠くから撮っていますと何故説明を付けないといけないのか良く分からないが、とにかくNHKが流している福島原発の映像で、今度爆発の光景を見たら風下300km以内の人は半日以内に脱出しなさいと言う小出裕章先生の解説は簡単明瞭でわかりやすい。いくら安全ですと前日の数値を教えられても、今日被爆したら意味がない。あの画面を見ているだけでいいのだから素人でも分かる。 この先生が信頼できるのは、先生が言っていることが2週間遅れで実際に起こっていることの他に、政治家嫌い、政治嫌いで、全く国や政治家を信頼していないことと、気にもとめていないところ。そう言った気骨があるところだ。マスコミに登場したがって、安全の風評被害をまき散らしている学者達とは全く毛色が違っている。  もし、最悪のその光景を目にしたら、首都圏は放置される。多くの人が西にやってきて、西日本から過疎地が消えるだろう。牛窓の狸も人波に押されてゆっくりと道路を横断なんか出来なくなるかもしれない。荒れた畑は整備され住宅地になり、おしゃれな家々が立ち並び、ヤマト薬局なんか一瞬にして潰されそうな資本家が営業を始め、町にはおしゃれな店が出来、「あのさあ、あのさあ」とさあ言葉が標準化し、人々はおしゃれになりランチを楽しむ。今まで見たこともないような演劇が上演され、タレントがカメラを引きつれて歩き、物珍しさで人垣ができる。  国が滅ぼうとするときにしか脚光を浴びない哀れな過疎地だが、翻弄されるのは慣れている。戦いで死に、高度成長を底辺で支え、不況を質素で支え、放射能を放射NOで支える。自爆で滅ぶのかマグネチュード8の余震で滅ぶのか分からないが、そろそろ為政者の油断した微笑みが映像に漏れている。