落とし穴

過敏性腸症候群のガス型で悩んでます。症状は、ガス漏れで無意識のうちにガスが出て、肛門部があつくなって、不快感があります。周りに迷惑をかけているという気持ちが強く、常に後ろにいる人が気になり、対人恐怖症になっています。ガスもよく溜まり、頻繁に出ます」ある若い女性の最初の相談内容だ。時々どのくらいの期間で治るか質問されるが、それにはいつも分からないと答える。「こんばんは。今日も嬉しい報告です。今、ずっといい方向に向かっており、私が1番苦手な場面でも変わりを感じました。精神面も本当に前向きですし、腸が強くなっているのも感じます。完治するかもしれません。やっと本当の私らしくなれるのかもしれませんと言えるぐらい自信というものが出てきました。お薬がもう少しでなくなるのですが、一旦やめてみようと思います」丁度4ヶ月たった今日ほとんど完治に手が届いた。血液は120日で入れ替わるとよく言われるが、まさしくその日数と一致している。血液が変われば過敏性腸症候群が治るというわけではないが、体は日々代謝を繰り返し、新しくなっているのだから、その生命力を信じて希望を持って努力して欲しい。まして若い人など、治るためのシステムの方が、病気になるシステムよりはるかに整備されているので、大船に乗って回復を待ったらいい。そのうち歳をとると今の生命力がどのくらい価値があるかと言うことを思い知ることになるだろうが、出来れば思い知る前に気づいて、今だからこそ出来ることに挑戦し続けて欲しい。体のことを気遣うのはもう少し後になってでいいのだ。石橋は叩きもせず何も考えずに渡るのが若者だ。  それにしても彼女は1番苦手な場面とはなにだったのだろう。詳しくは聞かなかったが、僕がいつも言う「現場でしか治らない」を実践してくれたに違いない。又一人の素敵な女性が誕生した。堂々と自由に生きることで周りの人も楽しくできるだろうし、自分が苦しんだおかげで弱い立場の人のことも思いやることが出来るに違いない。青春の落とし穴に落ちた人にしか分からない価値観や行動規範が恐らく将来に渡って沢山の人の役に立てるだろう。若い時に落とし穴に落ちておくのも悪くはない。這い上がる事が出来ないほどの落とし穴は誰も掘ることは出来ないのだから。