色々やったけれど、ツバメの赤ちゃんを守るのはすだれが一番いい。2階の窓から寝る前にいくつか垂らしておく。特に巣の前は大きなすだれがいい。我が家よりカラスの方が明らかに早起きだから、前の晩から垂らしておくことが肝心だ。そうしておけば、布団の中にいてもカラスの鳴き声を安心してやり過ごせる。 日曜日は、帰ってくるまで、シャッターの前にだらしなくすだれを垂らしておくのでなんて横着な薬局だろうと誤解されそうだが、幼い命を守るのはそれも仕方がない。親鳥が足繁く(羽繁く?)餌を捕まえて帰ってくるのをチチチチと喜びの声をあげながら待ち受ける姿には、教えられるものがある。 いくつかの失敗を経て行き着いたすだれだが、使うあてもなく納戸にしまっていた奴だ。立て替える前には西日が強く当たっていたから必需品だったのだが、現在の建物にしてからは必要なくなった。まさかツバメの家に使うとは思わなかったが、捨てずにとっておいたのが幸いした。偶然目にしたから浮かんだ発想だが、今では年中行事の中でなくてはならないものになっている。ゴミ扱いにして焼却し二酸化炭素を排出させては申し訳ない。ただでさえ、目標達成のために家庭に頑張れとむち打たれているのだから。倹約しろとか消費しろとか、何を基準に奨励されるのか分からないが、恣意的な空気に流されず、我が価値観に委ねるのがいい。振り回されるのに耐えるほど資産も根性ももってはいないのだから。 すだれは立ち位置によって 、見通すことも出来るし目隠しにもなる。フィルターを通して見るのか、フィルターを通して見られるのか分からないが、人生の風通しだけは確保しておかなければ。いたずらな風も吹かないようではつまらない。