関係

 このような関係もなかなかいいものだなあと思った。  今日、中国地方の西の端からと四国から二人の大学生が一緒に尋ねてきてくれた。一人は3回目だが、彼女がもう一人の子を誘って連れてきてくれた。後楽園と市内が展望できるホテルの屋上でお茶を飲んだ後、一緒に牛窓に帰ってきた。教員を目指していることが共通だったので、数ヶ月前に紹介したのだが、二人のうち解けた様子を見て紹介した事が良かったなと思った。彼女たちは今日が実際に会うのは初めてなのだが、メールや電話でコンタクトを取り、僕たち家族が岡山駅に迎えに行ったときはすでに以前からの友達のように見えた。  過敏性腸症候群の薬は、病名で作ると難しい。その人特有の症状と個性に合わせなければなかなか効いてくれない。四国の子の情報も今日は生で手に入る。文面では知り得ない情報がかなり話の中で収集できた。わざわざ尋ねてきてくれたことを生かさなければ申し訳ない。それにしても何て善良な子たちだろうとつくづく思う。今まで何十人が泊まっていったか分からないが、僕はその子達に不快感を感じたことがない。むしろ好感を持って接することが出来る。今日の四国の子も、是非お腹で苦しんだ経験を将来の教師という職業に生かして欲しいと思った。子供達の苦痛を理解出来るのは、元気すぎる先生ではない。痛みを体験した人でないと他人の痛みは理解できない。  今夜は二人一緒だから母の家に泊まって貰うことにした。海岸沿いの漁港に面しているところに母の家はある。朝はきっと漁船のエンジンの音で目が覚めるだろう。今夜は二人でいろいろな青春模様を語り合って欲しい。過去から脱皮しつつある先輩格の子からも、何かを得てくれれば嬉しい。二人で手を取り合って是非完治して欲しい。出来ないはずはない。