四国

 やはり尋ねてみるものだ。勝手な思い込みで知っているつもりでは発展性がない。 僕は今までかなり多くのかの国の女性達と食事をしたが、それも色々な料理を一緒に食べたが、おしなべて少食だった。今日昼ご飯を教会のおばさん達と一緒に頂いたのだが(中華料理)かの国の若い男性達も又少食だった。その後僕達だけで喫茶店で話をしているときに、この数年の僕の疑問をぶつけてみた。するとその中の特に日本語がかなり自由に操れる子が説明してくれた。  実は決して少食ではないらしいのだ。寧ろよく食べると言っていた。そのスリムな容姿からその言葉は信じがたいが、2度3度その言葉を繰り返したから実際に良く食べるのかもしれない。彼らは結構健康に気を遣っていて、脂っこいものは避けているのだそうだ。特に中華料理みたいなギトギトギッチャンはマークしているらしい。確かに今まで会ったどの子達も野菜が好きでよく食べる。僕は失礼ながら、発展途上国でまだまだ所得が低くて野菜ばかり食べているのかと思った。実際は健康志向なのだ。ほとんどの若者が、男性も女性も自炊をしていて、自分で作ったものは一杯食べるらしい。そんな彼らがは日本料理をとても褒めてくれて、脂が控えられていて、そして何より安全だと言ってくれた。安心して食べることが出来ると言う表現も繰り返した。  話は変わるが、一つ謝っておかなければならないことがある。特に四国に住んでいる人に。折角玉野まで来たのだから海を見せてあげようと思ってフェリー乗り場まで案内した。案の定とても喜んでくれた。母国で海の近くに住んでいた女性もいて、ここぞとばかり「懐かしい」と言う日本語を教えてあげた。そして目の前にいくつも重なる島々の向こうに「四国」があると言うことも教えてあげた。大きなフェリーが発着しているのを見ながら、「近い内に一緒に四国に行ってみよう」と誘ったら全員がとても喜んでくれた。ただ島々の向こうに大きな陸があって街があることがどうしても想像できないらしくて、一人の男性が「四国に人間、住んでいますか?」と僕に尋ねた。四国の皆さん、ごめんなさい。