第六感

 一人の老人が死んでも、沢山の人が弔問に訪れ、多くの涙を流す。まして若い人なら哀しみの深さは言葉では表わせれないくらいだ。たった一人の死でも、多くの人の悲しみを誘う。この国では大きな事故でも起こらない限り有り得ないような犠牲者の数が、ある国では毎日まるでコカコーラを飲むようにありふれた日常の光景として伝えられる。  若者は戦争をしようなどとは思わない。貧乏人は戦争をしようなどとは思わない。女性は戦争をしようなどとは思わない。いつの世も、この逆の人達が好んで戦争をする。いや起こす。そして死ぬのはやはり若者であり貧乏人であり、女子供たちだ。今戦争が好きな白人が攻め込んでいる国ではまさに日常的に、哀しみの大量生産が毎日繰り返されている。  このままだとこの国も、毎晩パソコンに向かったり、携帯電話を打ちながら歩いたり、車で買い物に行ったり、魚釣りに行ったりと、極日常的に自由に出来ていたことが出来なくなる可能性がある。きな臭い臭いがしてきたときに防いで置かないととんでもない時代が来そうだ。戦は金持ちの老人がいつも起こし、貧乏人の若者が死ぬ。起こした人間は安全地帯だ。胡散臭い人間がテレビの画面に頻繁に登場し始めている。今こそ第六感を働かさねば。