丸亀おしろ祭り

 あるテレビ番組に出ていた大学教授が、語気を荒げて、日本の若者は外国の若者から馬鹿にされていると言っていた。問題意識を持たずにのほほんと暮らしているというのが理由らしい。
 僕も同じように長年感じ続けていた。もう何年も生きられないような老人に支配されている世の若者を憂えていた。戦争に行って死んで来いといわれても抗うことができなかった80年前の若者と同じだ。今同じようなことを言われたら何の抵抗もせず死ににいくのだろう。金持ちの老人のために貧乏人の若者たちが又死ぬのだろう。
 今回のあることに関する過剰なアホコミの報道でも、若者の批判を聞いたことがない。むしろ、「あんたは貴族か」と言いたくなるようなコメントを多くの若者がするのを見て、この国が行き着きつつあることを悟った。もう手を伸ばせば汚部の手に入れたいものを渡してしまいそうなところまで来ている。
 今日、丸亀のおしろ祭りに行ってきた。昨年まで、いくつもの団体が、歩行者天国で四国に伝わる神楽を同時で演じるのは壮観だった。僕にとっては和太鼓と1,2を争うメインイベントだったのだが、今回は行われなかった。その代わりかどうか知らないが、若者が数人単位の踊りのパフォーマンスを繰り広げた。素人が集まって作ったチームでとても見るに耐えられなかった。訓練の程度があまりにも違いすぎる。歴史とか文化的な価値など比べることができないからそこは完全に差し引いても、あまりにも幼稚で、よくもこんなものを時間と場所を与えて披露させたなと主催者の、良識を疑った。
先の大学教授の憂いを象徴したような低劣さだ。およそ見せる価値もないようなものを得々として演じる厚かましさが不愉快だ。世にはびこる老害に立ち向かう正義感と問題意識と気概はないのだろうか。いつまで外国の若者に馬鹿にされ続けるのか。
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