窮屈

 今朝の毎日新聞の朝刊に3人による座談会が掲載されていた。それぞれがどんな方か知らないが、なるほどなと思わせるものがいくつかあった。あまり難しいことは分からないから、僕でも理解できたことをその中から1つ紹介しようと思う。  「2000年代以降、45歳より若い世代は、今の暮らしを楽しむ人より将来に備える人が多数派です。なのに勤労世帯は全然貯蓄できない。ところが、09年以降の預貯金残高は年に14兆円も増えている。つまり消費税を上げて高齢者に払った年金が貯蓄されている。金融関係者に、生涯一度も年金を記帳しない人が結構いると聞きます。本人は使わず、子供が相続する。まさに世襲資本主義です」  僕の薬局は結構若い人がやってくる。現代の社会を窮屈に生きている人が多いからだと思う。器用な人なら何とか時流に乗り生きていけるのだろうが、不器用な方にとっては上流に向かって泳いでいるようなもので徒労感だけに支配されている。懸命に働いたお金でヤマト薬局の漢方薬を飲んでくれるが、そんなに経済に余裕があるとは思えないので、こちらも緊張する。それに引き換え、ある年齢以上の人は、結構、健康食品なるものにお金をむしりとられながら余裕がある。今度こそはだまされないぞと言いながらまたその種の餌食になる。旅行なども考えられないくらい楽しみ、老いてますます盛んだ。そんな人は蓄えがあるから、年金が入ってこようが入ってこまいがあまり関係ない。だから通帳を確かめたりしない。所詮端金なのだ。その通帳を相続できる家の人は、ますます余裕ができ、そうでない人との差が歴然とする。このことを世襲資本主義と言っているのだろう。  こんなことに多くの若者が甘んじているのが悲しい。「高齢者は投票するが若者は棄権しがちですから」と述べられているが、正にその行動様式を旨く政治屋に利用されている。  なけなしの給料から天引きされた税金が、老人の貯蓄や企業の売り上げ作りに利用されている。「アホ政権の日本は脱真実先進国」の指摘を待つまでもなく、老人に支配されたこの国を若者達は取り返さなければ!