僕(しもべ)

 あなた方も知っているように、異邦人の間では、支配者とみなされている人々が民を支配し、えらい人が権力を振るっている。しかしあなた方の中ではそうではない。あなた方の中でえらくなりたい者は、皆に仕える者になり、一番上になりたい者は、すべての者の僕(しもべ)になりなさい。人の子は仕えられるためではなく、また、多くの人の身代金として自分の命をささげる為に来たのである。「マルコによる福音より」  2000年前に言われたキリストの言葉が全く今の時代に通用する。およそこんな言葉と接する機会もないような人間が、企業や政治を牛耳っている。それを許している国民が愚かなのだ。真綿で首をしめられているような時代は終わった。これからは政府がお墨付きを与えた弱肉強食がどんどん日常の中に入りこみ、経済で締め付けられ、思想も、宗教も、精神活動さえも不自由を強いられる。  携帯電話を耳に当て横断歩道を渡る若者達。コンビニの前でたむろする若者達。極ありふれた光景さへ保証されるかどうか分からない。その恐怖に気がつかないまま、内向きに生きている若者達が憐れだ。