ハンディー

 長年太陽に当らない生活をしてきたせいか、どうも僕は骨にハンディーがあるみたいだ。去年の春は、腰が抜け一瞬のうちにその場に倒れ、秋には腕の疼きに泣かされた。昨日何気なく荷物を持ったまま、上半身だけ動かしたら背中に一瞬のうちに激痛が走った。丁度胃の裏側当りで、同時に胃が張って石のように硬くなった。去年の首から腕にかけての痛みのように激烈ではないが、恐らく同じ原因の痛みだろうと思っている。どこかが神経を圧迫しているのだろう。歯医者さんの治療で神経を触られているような痛みがする。幸い、自分自身の経験で作った処方があるから、それを煎じて飲んだら一日でほとんど治りかけていた。ところが調子に乗って今日荷物を動かしたら、同じ場所に同じ痛みが走り思わず悲鳴を上げてしまった。又大事にして煎じ薬も飲んで、ほとんど痛みは感じなくなったが、情けないものだ。老いは非情にも確実にやってきている。若かった頃、体験が少ない分、机上の理論を振りかざしていた。残念ながら今は沢山のトラブルを経験した。手に取るように分かる病気も増えた。頼ってきて下さる方には都合がよいかもしれないが、それこそ身が持たない。毎朝起き抜けに腰を伸ばしてからでないと恐ろしくて起きあがれない。こうなれば首も背中も伸ばしてから出ないと起きあがれない。結構トラウマなのだ。