悲劇

慶應義塾大学商学部准教授 岩尾 俊兵氏の文章の中で以下のようなものを見つけた。

 「しかし確実にいえることは、老後をめぐる悲喜劇は人生経営の失敗によって生まれているということだ。これによって老後が台無しになるどころか、恐怖と痛みの中で撲殺されるほどの悲劇が我が身に降りかかってくることさえあったわけである。」
 前後の文章を読んでも、人生経営と言う所がよくは分からなかったが、この恐怖と痛みの中でと言うのはよくわかる。職業柄そうした人たちを何十年見続けて来たし、最近では我が身に起こることで追体験として理解できることが増えた。
 誰もが遅かれ早かれ遭遇する恐怖と痛みを逆手にとって、紅麹屋みたいなのが、朝から晩までテレビで煽っている。道路上なら危険運転致死罪にあたるが、汚部が残した遺産で業者は守られている。病気は医者が治してくれるが、老化は誰も手が出ない。個人の老化を遅らせたという証拠は示せないから言ったもの勝ちだ。自称何々の世界だから気楽なもんだ。煽って煽って金をむしり取る。これが健康食品とか機能性食品とかの本質だ。金を集めて業者はより豊かに健康になり、消費者はより貧乏になり恐怖と痛みの中で撲殺される。

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判断基準

 この女性は、眠れないからと言って病院で睡眠薬を処方してもらっている。処方箋を持って来た時に「眠れる?」と尋ねたら、「あの薬効かんよ」」と答えた。睡眠薬を飲んで寝れないというのはあまりないから「良く動いて、疲れている?」と尋ねると「1日中座椅子にもたれて、ボケーとテレビを見ているかゲームをしている」と答えた。
 テレビを見てゲームをして?何歳の方か、昔ならどのくらいの年齢を思い浮かべるだろう。テレビは年齢を問わないが、ゲームをするのは若者の特権のようだった。だから10代?20代?せめて30代まで?
 ところがこの女性は、75歳だ。75歳にしてゲーム?僕はゲームをほとんどやったことがないので全く分からないが、まさか次から次に襲って来得る敵を倒すようなやつ?
 テレビとゲームだけで日が経ってしまうのだから、よほど面白いのだろうが、その間動いているのは目と指先くらいなもの。それでは疲れもしないだろう。ウォーキングすらしないというのだから、肉体的な疲労はほとんどない。
 最近僕は不眠を訴える人には「ぶっ倒れるくらい働いたら」と言うことが多い。疲れもしないのに、睡眠などそんなに必要なわけがない。テレビとゲームではおそらく脳もほとんど疲れていないから「寝ずに起きときゃあええが!」と言うと本人も納得がいったのか「そりゃまあ、そうじゃな」と言いながら帰って行った。
 ところが恐らく彼女は今日も睡眠薬が効かない効かないと思いながら、寝れないのだろう。日本人の多くは「眠れないかもしれない病」で、朝から眠れないことを心配する人が多い。睡眠を必要としないような生活ぶりで、睡眠薬だけ恋しくなる。なんていびつだろうと思うが、いびつをいびつと思わせないくらいの洗脳を、企業はやっている。これは健康面だけでなくあらゆる分野で進行中だ。判断基準を「自然」に置くと、怪しげな影がいとも簡単に透けて見えるのだが、判断基準までお仕着せだから、奇をてらったネーミングに惑わされたりする。

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真逆

 ほとんど毎日のように送られてくる医療情報メールで、次のようなタイトルを見つけると、さすがにクリックして見たくなる。「最も長生きに効果があると報告されたスポーツは?」
 お医者さんを中心に読まれている今日の情報は、以下のようなものだった。
デンマークで9千人弱を対象とし、25年間追跡したコホート観察研究。余暇に楽しむスポーツと全死亡との関連を調べている1)。
運動しない群に比べ、テニスを嗜む群は平均寿命が平均9.7年長かったと言われている。その他の運動については以下のとおりである。
延命のためには高強度の間欠的運動のほうがより効果的であることや、集団で行う種目、心理社会的な交流がある運動のほうが効果的である可能性が示唆される。
ガイドラインなどにこだわらず、動脈硬化性疾患予防のためには中強度の運動、延命のためには高強度の間欠的運動と、患者の希望やライフスタイルに合わせて使い分けるのが良いだろう。
また、同様に上記余暇のスポーツを嗜む時間と死亡リスクとの関連も評価しており、2.6~4.5時間/週のスポーツ活動が最もリスクが低いと報告している3)。
テニス 9.7年 バトミントン 6.2年  サッカー 4.7年  サイクリング 3.7年 水泳 3.4年  ジョギング 3.2年 自重による体操 3.1年 ジムによるフィットネス 1,5年」
 まとめると、個人種目ではなく皆でがやがやとやるスポーツで、走ったり止まったりを繰り返す、結構しんどいスポーツとなる。それを週に1回か2回するといい。
 受験などでスポーツをしてこなかったひ弱な青年は、昼はタバコを吸いながらパチンコ、夜はタバコを吸いながら麻雀、そんな暗黒の6年間を不健康に暮らした。牛窓に帰ってから、毎週2時間以上、げらげら笑いながら結構ハードにバレーボールを続けた。年下の社会人チームの選手を相手に、30年間続けた。思えば一番健康的な期間だった。ほとんど仕事漬けで、有意義で楽しい時期だった。
 55歳くらいで腰を痛めて断念し、そこから健康とはかけ離れた生活に陥り、体力の貯金は使い果たし、ほとんど赤字状態だ。今やっているのは、「ただ一人黙々と、ゆっくり歩き続け、息の一つも切れない。」理想とは真逆の運動?だ。ただし、長生きが全てだとは思っていないので、テニスはしない。

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想像

 昨年末、突如来られて、逆流性食道炎漢方薬が欲しいと言われた。症状を聞いてお作りしたのだが、そしてお作りした処方やグラム数を記録しておきたいと言ったのだが苗字を教えてくださっただけで、名前や住所や電話番号は教えていただけなかった。しょうがないからカルテには名前だけ書き、住所は勝手に瀬戸内市と書いた。90歳で車を運転して来れるのだから遠方からではないと言う想像で瀬戸内市にしただけの話だ。
 最初の2週間でとても良く効いて、漢方薬の評価を上げてくれた。当初僕が誰が飲んでもいいような箱入りの漢方薬を出すと思ったのだろう、手作りの漢方薬を評価してくれて、自分が引退した医者で、ランソプラゾールみたいな薬を飲みたくないと言われた。現役の時には患者さんに処方していたが、何らかの理由(僕にはわかるが)でご自分は飲みたくないらしい。以来ほとんど2週間毎に来られてずっと順調みたいで、少し漢方薬に興味を持たれたのか、成分について質問され、僕がどうして漢方薬を始めたか興味深く聞かれたりした。そして昨日来られた時に「患者に合わせて作ってもらえるのは有難い」と言われ、帰りがけには「お世話になりました」と言って帰られた。
 恐らく何十年その逆の立場で、多くの患者さんに頭を下げられて過ごしてきたのだと思うが、穏やかに老いて、口慣れない言葉も自然に出る。所詮僕など田舎の薬剤師だから、恐れ多いが「老いてはかくありたい」と思わせてくれる。

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出癖

本当にうれしい報告だ。今日一日はこの一本の報告で慰められる。
もうずいぶん長く利用してくださっているから、体調の改善にはかなり貢献できていると思っていた。県外から隔週くらいに来られるから、満足してくださっているのかと思っていた。確かに満足してくださっていたのだろうが、ふと始めた雑談で、これで僕が満足していてはダメじゃんと言うような情報を頂いた。
 なんと今でも50メートルくらいしか歩けないそうなのだ。10年くらい前は薬局の中まで車いすで入ってきていたから、そしてそれは結構早く克服してくださり、普通の人みたいに今では歩いて入って来られるから、何不自由ないのかと思っていた。
 ただ、50メートルしか歩けなければ我慢しなくてはならないこと、やれないことも多いだろう。そこで何か諦めていることがあるかどうかを尋ねたら「大相撲が好きで実際に見てみたい」と言われた。丁度福井で巡業があるらしいが、行けないと言われた。
 そんな趣味があって、実際に見てみたいのならぜひその希望を実現させたい。そこで僕は従来の健康維持の煎じ薬ではなく、元気に歩くことが出来る煎じ薬に変更させてとお願いした。僕は和太鼓のコンサートを聴くたびに「来年も元気でこのコンサートに来たい」とモチベーションを維持しているが、同じ体験をその方にしてほしかった。要は、やりたいことを全部実現できるお手伝いをしてみたかった。
 なんと今日、先日作った煎じ薬を送ってと電話があり、福井まで大相撲の観戦に行けたと言われた。これは本当にうれしかった。どんなに喜んでいただけただろうと想像した自分の方が喜んでいる。夫婦で現場で観戦している姿を見てみたかった。
 超スリムな方だから、起立性調節障害の子供に作る漢方薬を作って服用していただいたのだが、その目論見がどんぴしゃりで当たった。
 「もうこれで出癖がつくよ」と思わず口から出たが、今まで我慢していたことを全部取り返してほしい。病院では別に病名もつかない体調不良に、煎じ薬が役に立つことは多い。

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目撃

 兵庫県立フラワーセンターでのある光景に、晩年の母の様子を思い出し胸が痛んだ。
 近くで目撃した、ある母親と娘が正に当時の僕達と重なったのだ。恐らくその母親も娘も当時の僕達よりは少し年下。しかしその母親の無表情さと、カメラを構えて必死で「笑って!」と呼びかけ続ける娘は、僕達そのもの。
 フラワーセンターの、今が盛りのチューリップのように美しい光景は見せてあげることは出来なかったが、施設から連れ出し、嘗ての中学校のグラウンドで車いすを押し、返事が返ってこない母にまるで独り言のように語りかけた。
 廃校になった中学校から引き継いだ桜の季節も何度かあった、紅葉の季節も何度かあった。でも見上げることもなく無表情のまま虚空を眺め続けていた。それでも僕は何かを期待して6年間施設に通った。
 見かけた母娘は、既にその入口に立っているみたいで、懸命に時を戻そうとしている娘の姿が痛々しかった。フラワーセンターみたいなきれいな所では、このように車いすで大切な人と時間を共に過ごす光景をたくさん目撃する。多くのいわゆる名所と言われるところで目撃する。自然の力を頂き、回復を願ったリ、苦痛から一時でも逃れられたらと願っての行動だと思う。
 遅かれ早かれ遭遇する苦痛の日々を自然の力によって癒される、そこにしか人間が帰ることが出来る場所はない。

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不平等

 現代医学で難病とされているものは、漢方薬でも難病だ。むしろ現代医学で難病なら、漢方薬だと「超」難病だ。漢方薬に対する期待の大きさを感じることはままあるが、この基準は普遍だ。
 ただ、そう言ったものに漢方薬が無能かと言えば必ずしもそうではなく、ある範疇、正に難病と言うくくりで薬を作ることはできる。
 この女性も東京の病院だろうがどこでも行って治してほしいと頑張っておられる。2週間毎電話で話をするが、はたして1%でも僕は痛みを共有出来ているだろうかと、毎回情けなくなる。僕はその範疇の処方を作ってお送りしているが、止めると何となく悪化するくらいの消極的な評価しか得られていない。
 精神的な関与も少しはあるのかと思うから、毎回楽しい話をするのだが、それもまたお役に立てれているかは定かではない。
 今日も20分くらい話をしたと思うが、病院での治療の経過や苦痛の訴えでほぼその時間は埋まる。今日も何回笑って貰えたか分からないが、一度だけ大笑いをしてくれたものがある。電話を切る時に言った言葉「ヤクでも少し混ぜておいてあげるわ」
 お役に立てれないもどかしさから出たほぼ自虐ネタだったが、これが一番受けて大きな笑い声を聞きながら電話を切ることが出来た。
 現代医学のように、病名に対応する薬が揃っていないのが漢方薬の欠点だし、逆に大きなくくりに対して薬が存在していることは長所だ。未熟な僕の対応の中、耐えがたい痛みの中でも笑える強さに感心しながら、世の不平等を恨む。

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