ウォーターボーイズ

 僕はこの映画を観る度に涙が出る。「ウォーターボーイズ」あまりにも僕の青春とかけ離れた内容。決して勝者にはなれなかった受験と言う儀式の中でしか生きなかった僕の青春を、一蹴するかのような内容。悔恨を持ってしか観ることが出来ない。繰り返してみるに耐えうる作品をタップリン以外に知らない。しかし、このシリーズのものは繰りかえしてみてしまう。そしてそのたびに感動し、涙を流してしまう。どこへ行ったのだ僕の青春。さ迷える精神を今だ引きずり、自己嫌悪の中で毎日嘔吐する僕は、出口のない迷宮の回路の中を循環する。頭を抱え、地面にひれ伏し、幾つもの呪文を唱えても、虫けら一つの進路を決めることさへ出来ない。立て続きに打ち上げられる嗚咽の花火。人生を急ぐ人達の葬列が続く。僕は熱射で死んだ蛇のことを考えていた。焼けつく太陽が焼いたのは、朽ち果てた僕の人生。