天気のプロと、お百姓さんと、どうでもいい僕とが一致した、どうでもいいような知識。
 ドッグランの草抜きを始めて数年、遅ればせながらに自然に関しての知識も増えて来た。
 夏には草むらから出て来る蚊に悩まされる。草刈り機や熊手を使うたびに草の間から飛び出してくる。蚊ってこんなところに住んでいるんだと意外だったが、水の中で暮らすボウフラの印象が強すぎるのだろう。
 実は今年に限って、蚊に刺されることが圧倒的に少なかった。真夏に着る服ではなく長袖のジャージを着て、網を周囲に垂らした麦わら帽子、長靴の完全武装だが、それでも結構蚊に刺されていたのに、今年は少なかった。その理由が分かったのだ。     ある日テレビで、蚊の一番活動しやすい温度は25度から30度で、むしろ今の方が刺されやすいと説明していた。30度以上になると活動できないらしいのだ。そうか、今年は真夏日だらけで、猛暑日も多くあったから、あの炎天下でうろうろするのは自殺行為だったのだ。奴らも命がけで僕の血を吸いにはやってこないだろう。
 同じような感想を、昨日処方箋を持って来た農家の方が言った。「今年は暑かったけれど蚊が少なくて助かりました」と。僕より少し歳が大きい女性だから何十年選手の農家の方だ。何十年選手の経験、天気予報士の科学的な考察、ど素人の勘が同じ内容で一致した。
 どうでもいいことに喜んだり感動したりする。これは進歩か退化か?

https://www.youtube.com/watch?v=E7Ug_mZSZ68